電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ロマンという名のウソをつけ/ウソでも心が暖まるなら

ダ・ヴィンチ』新年号特集「オタクの恋 もうオタクと付き合うしかない」
やはりいまいちの薄め感は否めず。しかし今や『ダ・ヴィンチ』は女性誌だから、あんまり本音丸出し過ぎてはそりゃ読者が引く、こんぐらいでも充分冒険であろうか。
滝本竜彦大槻ケンヂの登場は妥当すぎる人選。滝本も彼女ができて丸くなったのは、人として大いに結構だが、もっと彼女とのギャップをセルフネタにしてくれるのを希望。
大槻ケンヂの方が、彼女が引くような映画を一緒に観に行ったという、『タクシードライバー』のデニーロ演じるトラヴィスばりのネタ振りなど話は面白い。
だが自虐自嘲ネタも自己目的化すると食傷だ。滝本は真摯な初々しさが救いともいえるか。
相変わらず週刊誌には「電車男」ネタが絶えぬ。先週は『週刊文春』に本人談の載ってた。
今さらながら、「電車男ネタ説」はもういいよ。ネタであろうと、このような美しい物語を見たいと思い、作り出した「場の空気」がネット掲示板上にあった、ということの方が重要では、と思うのだが――なーんてことも、既に誰か言ってるか……