電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「仕事なんだよ」

昨日は渋谷で作戦会議。
ひどく暑い。
渋谷の駅近辺は路上キャッチセールス男でいっぱいだ。
若い女性に声をかけて、高額な化粧品を買わせたり、「モデルになりませんか」と言って高額なタレントスクール(「芸能人の○○さんもここ出身」とか大ウソを言う)に契約させたりするアレだ。
ムカつく。
女性を経済的にも性的にも搾取している。
路上キャッチセールス男どもの外見は、たいてい茶髪にロン毛のモテそうなイケメンだ。
非常にムカつく。
一人の路上キャッチセールス男が、あからさまに迷惑顔の女性につきまとっていた。
すると、サングラスをかけた変な気持の悪い男が横から出てきて立ちはだかり、無言で路上キャッチセールス男を睨みつけ出した。
しっかし、つきまとわれてた方の女はバカで、その隙にさっさと逃げりゃいいのに、しばらく茫然と立ち止まってやがる。だが、路上キャッチセールス男が、サングラスの変な気持の悪い男に「ぁんだよ、そっち言って話するかぁ?」と言い出してその腕を引いた隙にやっと消えてくれた。
蛆虫とゴキブリの睨み合いの隙の漁夫の利だ、よかったな。
路上キャッチセールス男は、サングラスの変な気持の悪い男に悪態をつき「ぁんだぁ、そのサングラス取るぞぉ」とか言ってるが、口だけで手出しはしない。
路上キャッチセールス男は、しきりに「こっちは仕事なんだよ」と言う。
ムカつく。
仕事なら自分の側に正義があるというのか。
一個人の私利私欲でやってるんじゃないとでも言いたいのか。
職業選択の自由という言葉があるのを知らんのか、他にももっと倫理的にマトモでしかも時給の良い仕事はあるだろう。
サングラスの変な気持の悪い男はその内、丸井の店内に入り、路上キャッチセールス男は後を追ったが、他の客もいる、衆人環視の中、捕まえて殴ってやるわけにも行かない。
サングラスの変な気持の悪い男は人ごみの中に消えた。
ひどく暑い。
渋谷駅前の巨大液晶モニターからは「『電車男』大ヒット中!」という虚しいアナウンスが流れる。
秋葉原中のダサくてイケてないモテないキモメンのダメ男が一個師団ばかり一斉に渋谷に出撃して、若い女性を性的にも経済的にも搾取している路上キャッチセールス男を一斉にテロるような、心温まる爽やかな事件が起きないかなあ、などと妄想する。
(当然、女は、路上キャッチセールス男もキモメンのダメ男も放り出して逃げる、それでOK)
本田さん、よかったら一緒にやりませんか?