電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

わたしはこれが戦争当時のみの、遠い昔の話と思わぬ。

極悪レイプサークルだった、スーパーフリーの手口というのは、コンパに誘った女子学生に、座が盛り上がった状態でしこたま酒を飲ませ、泥酔させて行為に及ぶというものだったそうだが、これは「せっかく『みんな』盛り上がってるのに座をシラケさせるなんてことはしないよね」という「ノリの強要」であろう。
この悪癖、暴力的強制でなく、個々人の快楽欲求で釣るようになった分、昔の日本人より、バブルを経由した我が世代の方がもっとひどい気がする。
あるいは、MLMとかネットワークビジネスと呼ばれる集団を支えているのも、「ノリの強要」「下からのファシズム」である。
数年前わたしはとあるマルチまがい商法に一日だけ付き合わされたがその後、ネット上で同団体を脱会した元被害者が集まっている掲示板を見つけた。
ところが、自称元被害者の多くは、自分がその団体に所属していた時は自ら熱狂していたはずだったのも忘れて、幹部が一方的に悪いと被害者意識ばかりわめく――要するに「みんな」その団体の主義主張が正義だと流通している場ではそれに従い、「みんな」あの団体は異常で悪質だった、という主張が正義だと流通という場ではそれに従っているだけだ……何だよそりゃ? 敗戦になった途端に東條英機だけを悪者にした昔の日本人と、何ひとつ変わらんじゃねえか!