電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2006-01-01から1年間の記事一覧

怒ると暑くなるから怒るのやめ

7月中、雲が多くあまり太陽が出ない代わりに蒸す日が多かったが、めっきり夏らしくなった。くそ暑いが湿度は下がったのがせめてもの救いか。 この季節、ネクタイ・スーツの着用義務がない自由業は助かる。先日、取材のため一日だけ渋々ネクタイを締めたが、…

では諸君、こう発言するわたしを差別者として差別せよ!!

ちなみに、今さら言うまでないことだが、わたし自身激烈な差別主義者であるから、わたしは、「スーフリ和田は在日であって欲しいなあと思う人間」は差別者だからイケナイ、などという寝言はホザかない。 ただ単に、人間としてダセェと思うから一切共感しない…

「一切清廉潔癖な日本人の僕ら」が好きな僕ら

前から思っていることであるが、今の若い自称愛国者というのは、戦時中の日本兵というものは、一人残らず一切清廉潔癖の聖人君子で、戦時中の民間人虐殺などというものは(間違ってやった事や、本ッ当にやむを得ない事情があったとしても)まったく一切、一…

「あれはウチの子ではありません」

さて、以前この「電氣アジール日録」ブログの編集欄の「リンク元」を見ていたら、「スーフリ + 和田 +在日」というキーワードがあった。 『わしズム』最新Vol.19号に切通理作も書いているが、この2、3年ばかり、ネット上では、何か事件が起きると、脊髄…

朱に交わればアカくなる

ところで唐突であるが、わたしは激烈な差別主義者である。 水木しげるの『劇画ヒットラー』で、童貞時代のサエないヒトラーが、すべてのドイツ人処女はユダヤ人と口をきいただけで梅毒がうつると非科学的迷信をわめいてたように、「消費者金融や証券会社やク…

「差別者にも人権」の皮肉

先日の話のちょっとした続き。 唐突だが、わたしは「言論の自由」無条件全面解放論者ではない。 十年ばかり前、「悪魔ちゃん」事件という変な話があった。 ずいぶんとへそ曲がりの男がいて、生まれたばかりの自分の息子に「悪魔」というヒドい名前を付けよう…

労働組合M

♪諸君、夢はあるか? あるなら働け、努力だ 「労働者M」筋肉少女帯 いちいちブログで本業の補完ばかりしているというのは、プロとしては誉められた話ではないのだが、また仕事ネタ。 『サイゾー』8月号「ニュースソース」欄にちょこっとだけ(1/2ページ)…

続報

ところで、先日書いたe-まちタウンPPCマスターカードなるポチ犬サラ金アイフルと提携した腐れカードを発行している卑し系ゴミ会社は、その前身はクレイフィッシュで、光通信系列だった……。 やっぱり「シブヤ系ネットビジネス」ビットバレー崩れは一切信用で…

フランス軍中戦車ジョルジュ・バタイユ

フランスといえば、少し前にミリタリマニアの友人に聞いて知ったが、タミヤ模型からWW2(第二次世界大戦)時のフランス軍戦車B1bisが1/35でプラモ化されて発売されている。 WW2のフランス軍戦車つったら、長年、開戦初期にドイツ軍に撃破され、という一方的…

植民地の愛国者

今月の『諸君!』では、「フランスでも植民地「自虐史観」論争」(松浦茂長)の記事が興味深かった。 19世紀から20世紀前半の植民地帝国主義政策は、どこの先進国もやったことだが、日本ばかりが自国のそれを全面的に悪く書かねばならなかったのは、情けない…

英霊への背信

何を今更な話だが、「新しい歴史教科書をつくる会」がまた内紛に陥って、これで結局(大月隆寛、小林よしのり、西部邁に続き)、結成当時からの巨頭が皆抜けた形になった。 で、ここのところ、西尾幹二、藤岡信勝、八木秀次、それぞれの言い分が『SAPIO…

資本主義vsダダイズム

2年前、仕事のためにしぶしぶ携帯電話を導入した。なんとなくtu-kaを選んだのだが、今年に入りtu-ka経営元のKDDIから、会社が統合されたのでauに替えろと命令する連絡が来やがった。どうやらいずれtu-kaは消えるという。 かくしてしぶしぶ再契約に行ったら…

今月のBtoB仕事その2

というわけで、宝島社『この文庫がすごい!2006』発売(isbn:4796653724) わたしは「夏だ!この”この文庫フェア”がすごい!」の項を担当させていただきました。 角川文庫、幻冬舎文庫、講談社文庫、光文社文庫、集英社文庫、祥伝社文庫、小学館文庫、新潮文…

飯田橋駅の思い出

なんでも、国会で野党側はクールビズ導入を躊躇してるらしい。 「保守はお堅くおっさん的/野党は解放的で若者に媚」という従来の通俗図式を覆す意志でもあるのかと思えば、単に、与党に従うのはシャクだから、という理由には、まるで合理性がないではないか…

今月のBtoB仕事(?)その1――かわかずお『パチ漫』裏話

というわけで、月刊『サイゾー』7月号に、「漫画業界騒然!?『パチ漫』が示す著作権とオリジナリティの本質論」って記事を執筆させて頂きました。 誰もが知る名作漫画の数々を、その筆致まで巧みにパチりまくった、かわかずお『パチ漫』(isbn:4862480276)…

ものは言いよう

さて、スパム迷惑メール送信業者はそのつど手を変え品を変え文面を変え人の気を引こうとするが、こいつらの手に掛かると、あらゆるものが一気に陳腐化させられる。 『電車男』が流行り出した時は、差出人「エルメス」と名乗り、文面は「『電車男』みたいな恋…

俺は「客」ではあっても「ご主人様」ではない

資本主義消費社会はあらゆるものを商品化してきたわけだが、どうやら最後の商品が「人間関係」らしい。 実際、昨今、前提としてはまあ衣食足りたうえで、「非モテ」やら「異性からの承認欲求」やら何やらがなんだかオトコ共の最後の社会問題になってるようだ…

人間関係の商品化について

毎日毎日スパム迷惑メールの類が届く。一度来たものは片っ端からメールアドレスを振り分け処理で「ごみ箱」直行にしてやってるし、「セフレ」だの「完全無料」だのというよく使われるキーワードはこれもごみ箱直行にしてやっている。 その大部分は、盗撮だの…

地元びいきについて(覚え書き)

月刊『論座』が愛国心についての特集記事をやっていた。 国家に対する愛国心とは、ある程度、近代以降の人工的な物かも知れぬが、多くの場合「地元びいき」意識は自然な感情だろう。 よく言われることだが、高校野球のシーズン、自分が福岡県民なら、まず(…

力の行使について(覚え書き)

竹島問題がらみで島根県のWEBサイトに韓国から大量のDOS攻撃があったという。 少し前に中国の反日デモで日本企業経営の店舗が襲撃された時もそうだが、今の日本人の感覚の基準では、こういうことは、やる方が恥かしい事となっている。 何度も述べてき…

普請中

放っといたらまた一ヶ月以上更新が止まってる。 日々考える事はあるのだが、仕事関連が多い。だが、別に自分の単独著作でもないのに、まだまだ刊行が先になる仕事のこと書いても仕方ないからなあ……

戦後という、成り上がりと物欲の自由

『立喰師列伝』を観た日、帰りにBOOKOFFで雁屋哲+由起賢二『野望の王国』全巻を立ち読みするという無謀に挑戦してどっと疲れた。これもまた雁屋哲による「壮大な偽史としてのオレ戦後史」なんだろうが、権力を目指す大人の世界を舞台に少年ジャンプ的バトル…

それぞれの戦後、それぞれの昭和

押井はこの『立喰師列伝』を「壮大な偽史としてのオレ戦後史」として語ろうとしていたようだが、まあしかし、以上のような、押井の「戦後」のメンタリティは、わたし個人としては、面白くはあるけれど、どうしてもいまひとつ幅が狭いように感じたのも事実だ…

「喰い歩きの自由」という戦後

さて、『立喰師列伝』は、無銭飲食を生業とする「立喰師」なる人々を、戦後に出現した、かつての時代の山窩(これ自体、実在したのか不明の、伝説の存在である)のような漂泊民として民俗学っぽく扱う、という体裁を取っている。 この「民俗学っぽく」という…

無駄に贅沢なる楽屋落ちオフザケ

で、中野区から渋谷まで自転車で出かけて『立喰師列伝』を観る。 自慢じゃねえが『攻殻機動隊』も『イノセンス』もレンタルビデオえ一回しか観てないが、『紅い眼鏡』と『ケルベロス Stray Dog』と『トーキングヘッド』なら映画館で数回観てるわたしとしては…

春が来たので穴倉から出る

なんだか二ヶ月近くも間が空いてしまったが、別に旅に出てたわけでもない。 この間、一応、原稿仕事もしてはいたが、花粉の季節だったので日中は外に出ず、まだ肌寒いので布団が気持ちよいからと毎日昼過ぎまで寝て、原稿料も入ったことだからと、無敵鋼人ダ…

珍しくヒットを打ったらしい(俺一人の手柄でないが)

PHP文庫『「世界の神々」がよくわかる本』東ゆみこ監修(isbn:4569665519)が増刷7版決まったという、素晴らしい。 わたしは同書では、クトゥルー神話とエジプト神話が担当だったわけだが、先日放送が終わった『魔法戦隊マジレンジャー』では、最後のほうで…

神の視点を気取れる職業などない

2004年3月刊行の『別冊宝島 高村薫の本』(isbn:4796650849)が文庫化。『新リア王』の刊行に少し遅れたタイミングになってしまったのが惜しいが、本全体としては、初版時、合田刑事のファンにはそこそこ好評でしたし、入門ガイドにも悪くないと思います。 …

「法に触れる」だけが悪い事なんですか?

もう何度も何度も何度もしつこいが、わたしにとっては日本社会を考える最適の体験的材料になってるので、また、わたしが過去に一日だけ付き合わされたネットワークビジネス(MLM)の話。 まず、誤解なきように述べておくが、連鎖販売(マルチレベルマーケ…

「お天道様」と「大地」

さて、10年ばかし前『オウムと近代国家』(isbn:4931062113)の中で、弁護士の三島浩司氏は、かつての日本には、法の裁き以前に「お天道様に恥ずかしくないのか?」という世間の論理があったことを指摘している。で、例えばこれがロシアであれば、ドストエフ…